番組の内容

実際の番組を見る前に、番組に出てくる役柄や演奏形態をチェックしておきましょう!
これでちょっとはわかってくるかも…。

役柄に関する内容
曲名 能楽の曲名です。
小書き 特殊演出のことを指します。伝授を受けなければできない(習い〜ならい〜といいます)もので、扮装や作り物が変わったり、囃子や動き、舞などが追加・省略されることが多いです。
ちなみに、観世流が一番多いらしいです。
シテ 一曲の主役のこと。たいていは面をつけます。
曲の途中で登場するので、それで区別できるでしょう。
たいてい最後まで舞台にいて、留拍子(とめびょうし)を踏みますが、途中で退場することもあります。
前後二場から構成される能では、前シテと後シテが同じ人物である場合と、全く別である場合があります。

※留拍子
能の終わりに常座や橋掛りで2つ踏む拍子のこと。
だいたいはシテが踏みますが、たまにワキが踏むこともあります。
ツレ シテヅレともいいます。
現行曲の約半数にツレが登場しますが、1人とは限りません。
子方 少年の演者が扮する役をいいます。面はつけないのが特徴です。
現行曲のうち約60曲(約1/4)にあたる曲に登場します。
ワキ シテの相手役です。
僧侶、神職、山伏などが多く、また現実に生きている男性の役のため、絶対に面はつけません。
シテの演技の引きだし役でもあるので、互角に対立することもあります。
まれに登場しない能もあります。(例:「小袖曾我」「橋弁慶」)
ワキツレ ワキの同僚や従者として出る役のことを指します。
間狂言 能の中で狂言方が担当する役のことをさします。
二場物の能で、前シテが退場後、後シテが出てくるまでをつなぐ役割もあります。
後見 舞台の進行に応じて、随時シテやその他の約の装束を直したり、作り物や小道具を取り扱ったりする役目です。また演者が絶句した時には、後ろから補助を行ったりすることも。(^^;)
シテやツレが演能中に倒れた場合は代わりに演じることもあるので、シテと同格かそれ以上の力量がないとつとまりません。
装束付けなども、後見が担当します。
能管ともいいます。唯一の旋律楽器です。
舞楽の龍笛に近いものの、調律はしないので、即興的な演奏に特徴があります。
小鼓 桜の木でできた胴を馬の皮ではさんで、麻紐で締めてある鼓です。
左手で紐を調節することで、音色に変化を出します。どちらかといえば柔らかい音色です。
温度と湿度にとても敏感で影響を受けやすい楽器です。
大鼓 構造はほとんど小鼓とおなじですが、演奏前に1時間ほど炭火で焙って、皮を乾燥させ、固く締め上げてあるのが特徴です。
小鼓と違って、力強く、高い音が出ます。
湿気を帯びてくると、能楽の途中で鼓ごと交換することもあります。
太鼓 欅(けやき)の胴を牛皮ではさんで、麻紐で締めてあります。
台に掛けて床に置き、2本の撥で打ちます。
神や鬼など、超人間的な役を舞台に呼び出す時に使われるので、脇能と切能には必ず太鼓が入ります。
主に能楽の後半部分に使います。
地謡 強いて言えばバックコーラスでしょうか。
裃や紋付き袴姿で舞台に座り、扇を持って謡います。流派によって、微妙に持ち方が違います。
地頭 地謡のリーダーです。歌い出しの間をはかり、音の高さを定めて、全体のテンポや位取りをリードしていきます。
後列中央に座っていますが、流派によって、微妙に位置が違います。
1列4名の場合、観世流・金剛流・喜多流は中央左側に、宝生流と金春流は中央右側に、それぞれ座るので、番組を見るときには注意しましょう。


演奏形態に関する内容
舞囃子 紋付・袴姿で、シテ・地謡・囃子だけで能の後半部分を舞うことをいいます。
長刀や杖、床几など手に持つ作り物は用いますが、それ以外は省略します。
仕舞 能楽の中でも、クセやキリなどの見せ場だけを紋付袴か裃姿で舞うことをいいます。
地謡が4〜5名つきますが、舞囃子と同じく、長刀や杖、床几以外の作り物は省略します。
素謡 能楽の謡の部分だけを通して謡うことをいいます。ただし、アイの部分は省略します。
連吟 2人以上で、段歌といわれる謡いどころや、クセ・キリなどの聞かせどころを謡うことをいいます。
独吟 1人で、段歌といわれる謡いどころや、クセ・キリなどの聞かせどころを謡うことをいいます。



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