今月の特集曲

養老の滝
養老の滝は、高さ約30メートル、幅約4メートルの滝で、巨岩老樹に囲まれた養老公園の奥深くにあります。岩角を打ってとうとうと流れ落ちる水は清冽を極め、くだけ散る飛沫が霧のように立ちこめて、夏なお肌寒さを感じさせます。
8世紀の初めこの地方に住む樵(きこり)・源丞内(げんじょうない)が山吹色の水を山中で見つけ、それを汲んで持ち帰ったところ、実は老父の大好きなお酒で、これを飲んだ老父はすっかり若返ったという話が都に伝わり、奈良の都の元正天皇は、早速この地に行幸になりました。天皇ご自身も飲浴され、「肌は滑らかになり、痛むところは治りました。めでたい出来事です。これは老いを養う若返りの水です」と、年号を養老と改められ、80歳以上の老人に位一階を授け、孝子節婦を表彰し、この地方の人々の税を免除したという話が『古今著聞集』などに残っています。
また、養老の滝は環境省選定の「名水百選」にも選ばれています。
毎年春分の日には、「若水取り」を行い、公園内にある養老寺の「滝守り不動」に献水しています。
湧き出た水を喫茶店のコーヒーやこんにゃく、うどん等の加工食品に利用しているところもあるようなので、養老の滝へ行ったときには、探してみてもいいかもしれませんね。


(文責:とりあ)

[ 「養老」トップへ ] [ HOMEへ ]

能楽勉強会