小書き |
水波之伝(すいはのでん) 観世流のみにある小書きです。 “神と仏は水と波のように実は一体である”という趣旨を強調した演出になっています。 アイは登場せず、後ツレ(揚柳観音)が現われて天女の舞を舞った後、後シテが登場します。また神舞の部分に緩急がつきます。舞の途中でテンポが突然ゆったりとなりますが、その後猛烈なスピードに戻ります。しかも最後の段では笛が盤渉の調子に変わります。 山奥から流れてきた清流が一旦穏やかになり、滝を一気に駆け下りて大河にいたるようなイメージでしょうか。 興趣に富むので、この小書がついた形で上演されることが多いです。 |
装束・面 |
<通常の形> 前シテ 装束:水衣、着付・小格子厚板、白大口、腰帯、扇。杖をつく。 面:小尉、小牛尉、阿古父尉など 後シテ 装束:色鉢巻、黒垂、透冠、合狩衣、着付・厚板、白大口、腰帯、扇。 面:邯鄲男 ワキ 装束:大臣烏帽子、袷狩衣、着付・厚板、白大口、腰帯、扇。 ツレ 装束:水衣、着付・無地熨斗目、白大口、腰帯、扇。柴を負う。 面:なし <水波之伝の場合> 後シテが次のように変わります。 装束:黒頭、芍薬付きの天冠、袷狩衣を衣紋に付ける、半切 面:三日月 (文責:とりあ) |