あらすじ |
三番目物 作者:観阿弥 素材:『義経記』巻五 場所:大和国 吉野山(現・奈良県吉野郡吉野山) 季節:春 前シテ:静御前 後シテ:静御前 ワキ:佐藤忠信 源義経は、梶原景時の讒言によって兄頼朝の勘気を蒙り、吉野山へ身を隠していたが、吉野山の衆徒の心変わりから山を落ち延びることになった。防ぎ矢を仰せつかった佐藤忠信は、山中で偶然に義経を追ってきた静御前とめぐり会う。忠信は義経らが無事に落ち延びることができるよう、時間稼ぎのための案を思いつき、静と打ち合わせる。 忠信は都道者(都から来た参詣人)の姿を装い、大講堂での衆徒の詮議の様子を窺う。その後、衆徒の中へ分け入って頼朝・義経の和解の噂や義経の武勇などを語り、義経追撃の鉾先を鈍らせる。そこに静が忠信との打ち合わせ通り舞装束で現れ、法楽の舞を舞い、なお義経の忠心や武勇を語る。衆徒は、義経の武勇を恐れるとともに静の舞のあまりの面白さに時を忘れ、誰一人として義経を追う者はなく、義経は無事に落ち延びることができたのだった。 |
装束・面 |
前シテ 装束:腰巻・壷折・女笠 面:小面 後シテ 装束:摺箔・緋長袴・長絹・烏帽子・太刀 面:小面 ワキ 装束:熨斗目・白大口・掛素袍・男笠 後に水衣 (文責:とりあ) |