作り物 | |
桜の立ち木(正先に置く) |
物見車(常座に置く) |
『岩波講座「能・狂言」』能楽図説より | |
流儀によっては物見車を出さないことがあります。 車の作り物が出てからシテとツレが登場し、車の中に入るのは、車に乗って登場したことを意味します。 また「熊野」などにもありますが、車にはシテだけが入り、ツレは外に立っているのも、全員車に乗っていることを表します。 |
小書き |
翁付之式(脇能之式・真之一声とも) 観世流 ワキの登場が“真之次第”、シテの登場が“真之一声”になります。 また<一セイ><二ノ句>が「都の空の春とてや、日も経緯の静かなり」という詞章に変わります。 さらに<サシ>に「面白や所からとてあひにあふ、こや九重の花見月、貴賎群集も袖をつらね、裳裾を染めて花衣の、日もうららなる朝霞、松にたなびく標野の原の、緑の空に映ろひて、宮路正しき内野の芝生、尽きせぬ御代ののどけさよ」という詞章が追加されます。 この小書きの時には、車の作り物は出しません。 (文責:とりあ) |