今月の特集曲

あらすじ
  • 初番目(脇能)
  • 作者:不明
  • 場所:唐土
  • 季節:正月
  • シテ:皇帝
  • ワキ:大臣
  • ワキツレ:従臣
時は八世紀の初め、唐の玄宗皇帝の御代のこと。今日は四季の節会の事始とあって、皇帝は月宮殿へ行幸になり、鶴亀の舞やその他もろもろの御遊が催されるので、みな宮中に参内せよとの命が出されます。
皇帝(シテ)が出御し、群臣(ワキ・ツレ)が拝賀する盛儀の中、毎年の嘉例によって参上した鶴と亀(子方またはツレ)が舞を舞い、千年万年の長寿を君に捧げて祝います。
皇帝はこれを嘉し給い、御自ら立って舞楽の秘曲を奏して寿ぎます。
山河草木、国土万民をあげて、太平の御代の幾久しく栄え給えとよろこび謳う声々のうちに、皇帝は長生殿に還幸されます。
みどころ
 子方(鶴と亀)の相舞
地謡が「亀は万年の齢を経、鶴も千代をや重ぬらん」と謡ったあと、鶴と亀の立て物(頭に戴くもののこと)をつけた子方が中之舞を舞います。
子方ではなくツレとして大人が鶴亀を演じることもあり、その時は立て物の他に、鶴は小面、亀は邯鄲男の面を用います。
 
 皇帝の舞う「楽」
能の劇中で囃子のみにあわせて舞が舞われる部分がありますが、「鶴亀」は「楽」を舞います。「楽」は、雅楽に伴う舞である舞楽を模したもので、シテが唐人や雅楽の役者である場合に舞われます。
「楽」を舞う曲は、この他に「天鼓」「唐船」「富士太鼓」などがあります。

(文責:とりあ)

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