「田村」あらすじ |
ところは京都・清水寺。東国より都見物にと僧(ワキ)がやってくる。春たけなわ弥生半ば(今の4月頃)、桜花爛漫。その雰囲気に酔っている僧の前に箒を手にした童子(前シテ)が現れる。地主権化に仕えるという童子に僧が寺の来歴を尋ねると、詳しくその縁起を語り、見渡される京の名所を教えはじめる。 やがて日が暮れ、月が出て、桜とともにあるその美しい情景を楽しみつ惜しみつするうちに童子が興にのり、春や桜をたたえつつ舞いはじめる。童子が常人とはかけ離れた様子であることに気付いた僧が名を尋ねると、童子は名を明かすことなく、帰る方を見るように述べて田村堂に入っていく。 −<中入>− そこで僧が夜もすがら桜の木陰で法華経を読誦していると、坂上田村麿(後シテ)が姿を現す。そして勅命により鈴鹿山の賊を討伐する際に千手観音の仏力により、敵を滅ぼした有様を語る。(文責:小梅) |