あらすじ |
五番目物 季節:9月 場所:唐 終南山の麓 作者:金春禅竹 前シテ:男の霊 後シテ:鍾馗 ワキ:終南山の麓に住む男 唐の終南山の麓に住む者が帝に奏上するため、都へ赴く途中、ある男に呼び止められました。 男は「私は昔、進士の試験に落第し、国の行く末を悲しむあまり、自害してしまいました。しかし、私の死後、及第の恩赦を受けたため、その御恩に報いようと執心の心を翻し、悪鬼を滅ぼして国土を守っています。このことを帝に奏聞してもらえませんか。」と言います。 そして、人の一生のはかなさや、世の無常を嘆きつつ、いつの間にか消えてしまいました。 やがて、法華経を読誦しているところへ、鍾馗が本来の姿で現れ、誓いの通り、悪鬼を鎮め、追い払うありさまを見せます。 |
小書き |
黒頭(観世・宝生) 前シテが老人、後シテが赤頭から黒頭に変わる。 また、いつもよりも早くて強い立働きとなり、橋掛りを用いて舞う。 白頭(宝生) 前シテが老人、後シテが大べし見に白頭となる。 重みが加わる演出になる。 (文責:とりあ) |