六浦称名寺 神奈川県横浜市金沢区金沢町 |
真言律宗別格本山、金沢山。西大寺末の律院。 金沢北条氏一門の菩提寺で北条実時が六浦荘金沢の居館内に営んだ持仏堂が起源とされている。 山号は金沢山、「関東往還記」に弘長2年(1262)不断念仏の寺として開創するが、文永4年(1267)実時は審海を開山として迎え、真言律宗に改めた。その後、称名寺の基礎が定まるとともに伽藍の整備が着手され、実時の子、顕時の時代には、弥勒堂、護摩堂、三重塔などが建立され、さらに顕時の子、貞顕は伽藍の再造営を行い、元亨3年(1323)には、苑池を中心として弥勒来迎板絵(重要文化財)に荘厳された金堂を初め、講堂、仁王門など、七堂伽藍を備えた壮麗な浄土曼荼羅にもとづく伽藍を完成させた。 その後、北条氏の滅亡により、鎌倉幕府が崩壊したことで伽藍の維持が困難となり、江戸時代には創建当時の堂塔の姿は失われてしまった。 なお境内は、昭和62年(1987)に阿字ケ池を中心とした浄土式庭園として整備復元されている。 |
青葉楓 あおばのかえで |
金堂前の池のほとりにある楓の木が、「六浦」に出てくる「青葉楓(あおばのかえで)」です。 この楓は、秋になってほかの楓が紅葉する時でも紅葉しないのが特徴です。 青葉楓は、近世の書物にも金沢の名木としてたびたび紹介されましたが、枯れてしまいました。 現在の木は、金沢区制五十周年を記念して同じ場所に植えられたものです。 (文責 とりあ) |