使用する面 |
能面−中将の嘆き 私の顔は、いわゆる美形。なんといってもモデルは、かのプレイボーイ在原業平殿なのであります。まぁ、若くはないが、熟しきったオトナの顔とでももうしましょうか。美しくあるために、薄化粧もほどこしたりもしています。貴族ですから、何といっても。 しかし貴族なのに、なんで戦なんてしなくてはならないのか。困る。清経氏は、もとより武家故、仕方はないか・・・。でも、自殺したくなる気持ちも、よーく分かる。内へ向かうエネルギーの方が強い上に、闘志みたいなものも持ち合わせていなけりゃあ、殺し合いなんて苦しかろう。おまけに、名門の出とくれば、苦悩して当たり前。眉も下がるさ。 ああ嫌だ。なにか、もっと明るく、パァッと楽しいことはないものか。死してなお、苦しまねばならないなんて、ほんとに、なんの因果なのやら。 (小梅) |