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作者:観阿弥 季節:1月 前シテ:老人 後シテ:天津太玉の神 ワキ:桓武天皇の臣下 ワキツレ:従臣 ![]() 私が山城の国に造営中の伏見宮に赴くと、伊勢の国から参詣に来た老翁が現れました。 その時、天より金札が落ちて来たので読み上げたところ、「わが国を守護するために神が伏見の宮に降臨するであろう」とのお告げでした。その老翁は伏見の謂れを語り、自らが天津太玉の神であると名乗って消えてしまいました。 やがて私の前に天津太玉の神が宮より現れ、弓矢で悪魔を祓い、御世を寿いた後、宮へと帰っていったのです。 この曲は、神が悪魔を射払う神事芸能を舞台化したものです。 観世流では、ほとんど前場を省略した半能形式で上演されます。他流でも半能として上演されることがあるようです。 |
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後シテの「玉津太玉の神」に用いる面は、「天神」です。 無実の罪で配流の身となり、太宰府で歿した菅原道真の怒りの表情で、神話や仏教の神々の役に用いられます。 (文責:とりあ) |