「杜若」の内容 |
日本昔話〜かっこいいお殿様の巻〜 in『杜若』 昔、国々を旅するお坊様がいました。 三河国八橋の沢辺で、大層美しい杜若を眺めていると、里の女が現れました。 里の女は 「“唐衣 きつつなれにし つましあれば はるばるきぬる 旅をしぞ思ふ”と『伊勢物語』で在原業平様がお詠みになった杜若です。」 と語り、庵へと招き入れました。 その夜、里の女は、業平の冠を戴き、高子の后の唐衣を身に纏い、現れました。 「私は杜若の精です」 杜若の精は、「業平様は、歌舞の菩薩の化身で、その和歌より草木も成仏しました」と語ります。 杜若の精は、『伊勢物語』の数々の恋を美しく舞います。 そして、夜明けとともに消え去りました。 (文責:めぐ) |