今月の特集曲

子方って

◆子方って?
 長々とあらすじを書いてしまいましたが、シテは烏帽子折と熊坂長範です、忘れそうですが・・・。それくらい子方大活躍の能です。
 子方とは、シテ方、ワキ方、囃子方、狂言方と同様に子方という役割をもっています。喜多流には子方がシテを勤める能が残っているとか。子どもが演ずるのですが、その中には・・・
まさしく子どもの役をするもの・・・嵐山・鞍馬天狗の花見や自然居士、百万、隅田川、いろいろとあります。
高貴な人の役をするもの・・・花筐では天皇。清廉潔白さを表します。子どもを神聖視していたりするのかも。
生々しさが出ないように・・・船弁慶で男女の別れを描くときの義経。

シテよりも目立たないようにするためという説もあるそうですが、よく考えると不自然??な感じなのかもしれないけれど、能の中ではちっとも違和感無く見られるところが不思議だなぁと思います。
 烏帽子折では立衆としてシテ方が沢山出てきます。大の大人を何人も、バッタバッタと切り倒す。自分に切られて大人が前へ後ろへ面白いように倒れて行く。子方集大成のこの曲は子どもなら誰でもやってみたいことでしょう!


観光案内

◆観光案内
 能の烏帽子折では、義経は滋賀県竜王町鏡の宿にて元服しています。実のところは諸説あり、鎌倉時代初期に作られた『平治物語』の説を採っています(室町時代初期の『義経記』では熱田神宮)。大河ドラマでは、『義経記』を採ったそうですね(ちゃんと観てない…)。原作は『平治物語』の方だったとか(読んでない…)。

◇元服のたらい
 義経が元服のときに使ったといわれるたらいが、鏡神社に残っています。宿とした白木屋という鏡の里の長者さんが代々家宝としてきたそうですが、お家が途絶えた後はこの神社で保管されているそうです。

◇元服池
 鏡神社より西へ130mほどにある池には湧き水がしみ出ており、この澄んだ美しい水を使って牛若丸が前髪を落とし、元結の侍姿をこの池の水に映したと伝えられています。

◇烏帽子を掛けた松
 義経元服後、鏡神社を参拝したときに烏帽子を掛けたとされる烏帽子掛けの松が、鏡神社の参道にあります。台風で倒れたため、株から上の2.7mを残して屋根を掛けてもらって保存されているとのこと。

 牛若丸が元服時、自らの先祖は八幡、賀茂、新羅大明神を親とされたゆえ、氏神である八幡と鞍馬の毘沙門天を親としてたちを多聞天の剣、刀を八幡に見立てて柱に立て、自分で元服の儀式を行い、源九郎義経と名乗ることに決めたとか。。この鏡神社には源氏の祖である新羅大明神と同じ天日槍(あめのひぼこ)が祀られているということで、この神社に源氏の再興を祈願して参ったとのことです。

◇義経を祀った神社
 鏡神社の参道をのぼった右手の山裾の小さな社です。お兵法に優れた応神天皇と合祀されているそうです。鏡神社の末社ですが、元服後の義経を祀っており、この社のみ京都鞍馬の方角を向いています。

(文責 小梅)

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